公認会計士試験合格を目指し始めるタイミングは人それぞれですが「早いほうがよい」と思う方は多いのではないでしょうか。
実際に大学在学中に合格される方も多数いらっしゃいます。 2019年度の合格者1337名の内、大学生(短大含む)は530名でした。
合格者の39.6%が大学在学中であることを考えると、実に多くの方が大学での学びと資格取得の勉強を両立していることが分かります。
そこで今回は、在学中から将来を見据えて公認会計士試験合格を目指そうと考えている方に向けて、有利な大学があるのか、大学とスクールで学ぶ「ダブルスクール」の方がよいのか、といった疑問について解説します。
学生であれば大学内講座も活用できるものの、公認会計士試験合格者の75%が大原、CPA会計学院、TACなどの予備校に通っているという事実にも注目していきながら、見ていきましょう。
公認会計士スクールに興味がある方はこちらもご覧ください。
「大原・CPA会計学院・TACの公認会計士予備校比較」
公認会計士試験の大学内講座も活用できる!
大学在学中に公認会計士試験に合格される方の中には独学で合格される方もいらっしゃいますが、多くの方は専門のスクールにも通う「ダブルスクール」の方法を選ぶようです。
しかし大学に通いながらスクールにも通うのは時間も授業料がかかってしまいます。
そこで、公認会計士試験の対策を行っている大学を選択することで、大学内で公認会計士を目指すことができます。
以下の大学では公認会計士試験を目指す学生のための制度があります。
- 慶應義塾大学:1980年に商学部に設置された会計研究室で、講習やガイダンスを受けられるなどのサポート体制があります。
- 中央大学:学内に経理研究所があり、受講料の補助や中央大学OBの公認会計士による直接指導などの体制が整っています。
- 早稲田大学:社会科学系学部を対象としたWUCPAと呼ばれる公認会計士講座で日商簿記1,2,3級の指導が受けられます。
- 千葉商科大学:会計教育研究所という機関が設置されており、公認会計士を目指す学生の指導・サポートを行っています。
上記以外にも公認会計士試験対策の制度を用意し、さまざまな授業・講座などで公認会計士を目指す学生の支援を行っている大学が多数ありますので、大学受験・入学前に詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
大学別合格者数ランキング
では公認会計士の合格者の出身大学ランキングを見てみましょう。
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 慶應義塾 | 慶應義塾 | 慶應義塾 | 慶應義塾 | 慶應義塾 |
2位 | 早稲田 | 早稲田 | 早稲田 | 早稲田 | 早稲田 |
3位 | 中央 | 中央 | 中央 | 明治 | 中央 |
4位 | 明治 | 明治 | 明治 | 中央 | 明治 |
5位 | 同志社 | 同志社 | 東京 | 東京 | 東京 |
6位 | 立命館 | 関西 | 同志社 | 京都 | 京都 |
7位 | 関西 | 関西学院 | 立命館 | 一橋 | 立命館 |
8位 | 関西学院 | 神戸 | 関西学院 | 立命館 | 一橋 |
9位 | 法政 | 東京 | 法政 | 神戸 | 関西学院 |
10位 | 神戸 | 専修 | 神戸 | 専修 | 立教 |
2014年から2018年の5年間を抜粋してみると、5年連続で「慶應義塾大学」1位となっていますが、遡ると44年連続で1位という記録を更新中で、いかに公認会計士試験対策に力を入れているかがおわかりいただけると思います。
また、公認会計士合格者の出身学部については「経済学部」「商学部」「経営学部」の割合が大きいものの、最近では「法学部」「理数系学部」などさまざまな学部から公認会計士を目指す方が増えているそうです。
公認会計士試験の受験資格で出身学部は問わないことが、公認会計士試験受験志望者の出身学部の幅が広くなっている要因の一つかもしれません。
大学内講座で合格できる?『 合格者の75%が学外のスクールを受講 』
では、大学内の公認会計士を目指す制度と独学で公認会計士試験に最短で合格できるのかというと、もちろんその可能性は十分ありますが、高い専門性が求められるため難しいケースもあります。もちろん公認会計士対策がない大学も多数あります。
そこで公認会計士試験合格者の多くが活用する「スクール」という選択肢を考えることになると思います。
具体的には「大原簿記学校」「CPA会計学院」「TAC」などが、公認会計士試験合格者を多数輩出している大手の公認会計士試験対策をしているスクールになります。
2019年度合格者数(2020年2月現在)
- 大原簿記学校:450名(専門課程含む)
- CPA会計学院:357名
- TAC:360名
主要3社で1000名以上の合格者を出していることが伺えます。
2019年の公認会計士試験合格者数が1337人だったことを考えると、合格者の75%程度がいずれかのスクールを受講していたことになります。
スクールによって特色はさまざまですが、通学の場合は通いやすさ・立地も選定の際に重要なポイントとなります。
最近ではインターネット・スマートフォンの普及により、インターネットを介した通信講座も人気です。通学が不要で好きな時間・場所を選ばないので、「近くや通学圏内にスクールがない」という方も通学と同等の講義を受講でき、必要に応じてスクールに出向くことができます。また、さまざまな情報提供やカリキュラム・コンテンツが用意されており、ダブルスクールで公認会計士を目指す大学生を手厚くサポートしています。
ほとんどのスクールが定期的に無料説明会や体験レッスンを実施しています。スクール選定で悩んでいる方は各スクールのホームページを見て比較したり、資料請求をしたりしてさらに詳しく調べてみるのがオススメです。
公認会計士スクール3大大手の比較はこちらをご覧ください。
「大原・CPA会計学院・TACの公認会計士予備校比較」
まとめ 【 早期合格したいならダブルスクール 】
日本の資格の中でも特に難関といわれる公認会計士試験合格を目指すためにはたくさんの時間を勉強に充てる必要があります。もちろん日常生活以外にも大学の授業、アルバイト、部活動やサークル活動、趣味を楽しむ時間なども必要です。
そのため、効率的に最短で合格するための手段・方法を的確に見極め、選択しなければなりません。どんなに有名で実績のある大学・スクールであってもご自身の勉強法に合わなければ続けられない場合もあります。ご自身に合う大学・スクール・講師などを見つけ、出会えることが、公認会計士試験合格という大きな目標を達成するための第一歩になるでしょう。
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