公認会計士と税理士の違いについて

公認会計士も税理士も、会計や税務といったお金に関わる業務を行うため、その違いが分かりにくいという印象を持っている方は多いと思います。

そこで、こちらでは公認会計士と税理士の違いについてご紹介します。

受験資格の違い

公認会計士も税理士も医者や弁護士と同じ国家資格であり、仕事をしていくためには資格を取得するための試験を受けなければなりません。
その試験を受けるための受験資格において、次のような違いが見られます。

まず公認会計士の場合、公認会計士試験を受けるのですが、そこには受験資格はありません。そのため、年齢、性別、学歴関係なく誰でも受験可能となっています。

一方で税理士の場合、次のような受験資格が定められています。

  • 大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
  • 大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
  • 公認会計士試験の短答式試験に合格した者(平成18年度以降の合格者に限る)
  • 司法試験合格者
  • 日商簿記検定1級合格者
  • 法人又は事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
  • 銀行・信託会社・保険会社等で資金の貸付・運用に関する事務に2年以上従事した者
  • 税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者

日本税理士会連合会ホームページより抜粋)

上記の受験資格のうち、いずれか1つでも該当すれば税理士試験を受験できるようになっています。

試験内容の違い

試験内容でも次のような違いがあります。

公認会計士の場合

公認会計士試験は、短答式試験で4科目、論文式試験で5科目を受験します
それぞれの合計点数が約7割以上であれば合格となるのですが、それぞれの科目には足切りの点数が設定されており、それを1つでも下回ると不合格となってしまいます。
つまり、公認会計士試験は1度の受験で全ての科目を合格水準まで持っていかなければいけません。

税理士の場合

税理士試験は、全11科目から5科目を選択して受験するのですが、公認会計士試験と違って1科目ずつ受験することが可能です。
1度合格した科目は生涯有効となっており、トータルで5科目合格すれば晴れて税理士試験の合格となります。

このように、税理士試験の場合は1度に全科目合格する必要がなく、時間はかかっても自分のペースで確実に勉強を進められる試験と言えます。

業務内容の違い

業務内容にも大きな違いがあります。

公認会計士の場合

公認会計士は「会計の専門家」と呼ばれ、独占業務として「監査業務」を持ちます
独占業務とは特定の資格を持った職種の人だけが行える業務で、医者なら治療や手術、弁護士なら裁判での弁護などがあります。

「監査業務」とは、企業の収入や支出をまとめた財務諸表の内容が正しいかどうかをチェックするを業務のことです
この監査によって財務諸表の正しさが証明されると、銀行や投資家は安心して判断を行うことができるため、社会的意義がある業務だと言えます。

なお、監査を受ける義務があるのは基本的に大企業であるので、クライアントは大企業が多いということも公認会計士の業務の特徴と言えるでしょう。

税理士の場合

税理士は「税の専門家」と呼ばれ、「税務業務」を独占業務としています
税務業務には、納税者に代わって納税申告を行ったり、税務書類の作成・提出をしたり、税務に関する相談を受けたりといった様々な業務が含まれます。

クライアントは個人事業主や中小企業、ベンチャーが多く、税理士にはそれら企業の事業発展を支援するという側面があります。

このように、公認会計士と税理士では業務内容においても大きな違いがあります。
一方で共通する知識や業務もあり、特に公認会計士においては、日本税理士会連合会に届出をして登録がされれば、税理士として働くことができます

まとめ

 

試験に関する違いをまとめると、

  • 公認会計士試験は、受験資格がないので誰にでも受けるチャンスはあるが、短期決戦。
  • 税理士試験は、受験資格さえ満たせば仕事をしながらでも受験しやすい、長期戦。

となります。このことを予備校などでは「公認会計士試験は短距離走、税理士試験はマラソン」と例えられています。

また、資格を取得してからの業務内容についても、公認会計士は監査業務、税理士は税務業務といったように主とする業務やそれに伴うクライアントが異なります。

このような違いはあっても、それぞれ社会で果たす意義は非常に大きく、社会になくてはならない仕事だと言えます。