公認会計士のキャリアについて知る

公認会計士の最もメジャーな就業場所には、監査法人があげられますが、その他にも多様な選択肢があります。

本日記事では公認会計士のキャリアの可能性や、それぞれの特徴について知っていただき、将来の自分を具体的にイメージする為のきっかけになればと思います。

公認会計士が活躍する主な7つのフィールドについて

公認会計士が活躍するフィールドはプロフェッショナルファーム系と、インハウス系大きく2つに分類されます。

プロフェッショナルファーム系

1 監査法人

2 税理士法人・会計事務所

3 コンサルティング・アドバイザリーファーム

インハウス系

4 大手・上場企業

5 ベンチャー企業

6 外資系企業

7 金融系

監査法人

  • 言わずと知れた公認会計士の就職先の一つ。
  • Big4系監査法人が最も有名。ブランド・年収共に高いと言える。
  • 大手監査法人は業務が細分化されているが、中堅監査法人・中小監査法人はその反対で、広範囲に渡る業務を経験できる点が魅力。
  • 長く居続ける職場というよりは、登龍門的な位置づけであり、多くの公認会計士が一定期間を経て、次の職場に転職していく傾向が強い。
  • 大手監査法人で、パートナーになれる人はごく僅かである。
  • 中小監査法人の方が、パートナーを狙い易く、出戻り組も一定数いる。

税理士法人・会計事務所

  • Big4系税理士法人、辻・本郷税理士法人、税理士法人山田&パートナーズが大手として有名。
  • AGSコンサルティング、令和会計社等の準大手クラスも台頭。
  • 法人税務顧問業務を中心に、国際税務、連結納税、組織再編、事業承継等のコンサルティング業務やアドバイザリー業務を提供。
  • 相続・贈与といった個人資産承継に関する資産税業務等も提供。
  • 公認会計士は税理士登録が出来るので、将来的に独立を希望する人達が、税理士法人・会計事務所を転職先として選ぶケースは多い。
  • 優良事務所とブラック事務所の差が激しく年収幅も広い。

コンサルティング・アドバイザリーファーム

  • Big4系FASが最もメジャー。M&Aに係るDDやバリュエーション等が有名。
  • その他、独立系FASも多数。監査法人のアドバイザリーに近いサービスを提供しているような独立系ファームもある。
  • 戦略コンサルに行く公認会計士もいるが、公認会計士であることはあまり評価されず、ビジネスパーソンとしてのスキル・能力が最重視される。
  • アビームやアクセンチュア等のITを含む総合コンサルティングファームに転職する公認会計士も一定数いる。大手企業~中堅企業が主なクライアント層。
  • ベンチャー支援やIPOコンサル等を行っているようなコンサルファームもある。
  • 大手系であれば監査法人同等以上の年収は期待できるが忙しい。

大手・上場企業

  • 経理、財務、経営企画、内部監査等の職種に従事することが可能であるが、経理職の求人が多い。次いで、内部監査職。財務や経営企画は監査法人+αの経験を求められる場合が多い。
  • 年功序列要素が強い会社も多い為、20代のうちは監査法人の方が年収が高いケースが多く、年収を下げて転職することになることも多い。30代半ば位から年収の下げ幅は少なくて済むケースが増える。
  • プロフェッショナルファームと比べると、ワークライフバランスが整っていたり、退職金制度や住宅補助等の福利厚生が充実しているケースも多い。
  • 高度な会計知識を業務上必要とする場面も多く、公認会計士としての知識やキャリアを活かすことが出来る環境であると言える。

ベンチャー企業

  • IPOを視野に入れている、ないしは具体的に目指しているベンチャー企業において、CFO、CFO補佐、管理部門業務全般または経理職として働くケースが多い。
  • 大手・上場企業と異なり、会社の業務が全体的に混沌としていたり、組織が出来上がっていない場合が多いので、経理以外にも総務・法務、場合によっては採用活動をはじめとした人事的業務に関与するケースも少なくない。
  • CFOとして入る場合、資金調達のような花のある業務のみならず、社長補佐的に何でもやる覚悟と度量が必要とされる。
  • 年収は大手・上場企業と比べて年収は高くない。ストックオプションが付与されるケースもあるが、不確実性は高い。夢や遣り甲斐を重視する人には良い。

外資系企業

  • 経理・財務職として働くケースが多く、最終的なキャリアとしては、CFOやコントローラーを目指していくイメージ。
  • 日系企業と比べると年収は高く、評価も合理的。
  • ブランド力の高い企業も多く、所属している満足度が高いケースも多い。
  • 英語をはじめとした語学力を活かせる場面も多く、海外出張などを伴うケースも少なくない。グローバルなフィールドで働きたい方には良い環境。
  • 景気変動の影響を受け易いという側面もあり、景気の悪化に伴い日本マーケットから会社が撤退するなどのリスクも伴う。
  • 退職金という概念がない企業も多い。

金融系

  • 銀行、保険、証券、ファンド系など、多岐に渡る。更に、日系・外資系で戦略や考え方なども大きく異なる。
  • 経理職、内部監査職などの管理部門職種に加え、M&Aをはじめとした投資銀経業務のポジションなどでも活躍している公認会計士は多い。
  • PEファンドなどで働いている公認会計士も多いが、監査法人からダイレクトでファンド系に転職出来る公認会計士は少ない。FAS系やコンサル系、企業の経営企画やM&A部隊などを経て、PEファンドに辿り着く人が多い。
  • 管理部門系職種については、大手・上場企業と若干にており、投資銀行やファンド系のフロント職種はコンサルにやや似ている。
  • 金融系は一般企業と比べても特殊なマーケットで事前リサーチは必須。

プロフェッショナルファーム系会計士とインハウス系会計士の違い

プロフェッショナルファームで働くということ

  • 一言でいうと、クライアント(お客様)に向けたサービス業である。
  • クライアントの要望や課題に応えることで、付加価値を生み対価を得る。
  • どのようなクライアントに対して、どのようなサービスを提供しているのか?という観点を養うと、プロフェッショナルファームの業務は分類がし易い。
例えば、クライアントが大企業であれば、複雑な会計処理のアドバイスをするが、ベンチャー企業に対してはIPOの支援をする。事業投資に積極的な新興上場企業に対しては、M&Aの支援をする、といった会計を軸においた様々な業務を行う。
  • クライアントに対して専門性を提供している立場である為、常にクライアントより高度な知識や正しい情報を仕入れておく必要がある。
    その為には、常に自己研鑽に励み続ける必要がある。
  • 複数社に関与出来るので、短期間に様々な経験が積める。
  • クライアントのピンチを救うような場面にも遭遇することが多い為、不測の事態に対応することも多く、働き方はややハードワークになる傾向が強い。
  • その為、高額な報酬を得ることも可能で、年収は高くなり易い。
  • 終身雇用を意識した人事制度にはなっていないので、福利厚生は企業と比べると劣るが、経験値を積み易く独立もし易い環境と言える。

企業内(インハウス)で働くということ

  • 自社の事業が成功する為に、裏方で組織を支える縁の下の力持ち的位置づけ。
  • CFOや経営企画、事業推進部、M&A部門などの花形ポジションもあるが、基本的にはバックオフィス的ポジションが多い。
  • 経営陣や他部門の要望にどのように応えるかで社内の評価が決まる。
  • 社内に士業が少ない企業においては、社内の専門家的な位置づけとなり頼りにされる。また、社外のプロフェッショナルファームを使う立場になる。
  • プロフェッショナルファームと比較すると、福利厚生やワークライフバランスは整っている場合が多いが、所属する企業のレベル次第で給与の高低が大きく異なる。
  • 基本的には自社1社に尽くす仕事になる為、自社の製品やサービスといった事業に誇りを持てないと、モチベーションを維持することが困難。
  • 大手企業の場合は、ジョブローテーションで専門性が低い人が上司になる可能性もあり、自身の専門性は自助努力をしないと下がり易い。
  • プロフェッショナルファームと比較すると、他部門とのやり取り、根回し、ネゴシエーションが必要な場面に直面することが多く、高い組織適性が求められる。
  • 長く勤務することを前提とした組織作りがされている場合が多く、腰を据えて働き易い環境と言える。

プロフェッショナルとインハウスの比較

項目 プロフェッショナルファーム インハウス
①仕事の性質 クライアントサービス業 バックオフィス業務
②関与社数 複数社 基本1社
③事業理解 やや浅くなり易い 深い
④価値基準 クライアントからの評価 社内からの評価
⑤専門性 総じて高い 会社による
⑥年収 高くなり易い 会社による
⑦ワークライフバランス ハードワーク傾向 整っている
⑧長期勤務 会社による 長く働き易い
⑨組織適性 会社による 強く求められる

最後に

会計士に具体的なイメージを持てていなかった方は、少しだけでも将来像を膨らませることが出来ましたでしょうか。既に、ある程度、具体的にイメージを描けていた方は、それが本当に実現可能かどうかについて、コンスタントに情報収集を続けて欲しいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です